過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、血液検査や内視鏡検査を行っても腸に炎症や腫瘍などの明らかな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や下痢、便秘などが数ヶ月にわたって続く疾患です。通勤や通学の途中で急にお腹が痛くなったり、大事な会議の前にトイレに駆け込んだりと、日常生活の質を大きく下げてしまうことが少なくありません。当院では、日本消化器病学会消化器病専門医である院長を中心に、患者さん一人ひとりのライフスタイルや不安に寄り添った丁寧な診療を行っています。特に消化器疾患はデリケートな問題を含むため、女性医師も在籍し、プライバシーに配慮しながら「お腹のかかりつけ医」として親身に対応いたします。
過敏性腸症候群の症状について
過敏性腸症候群の主な症状は、腹痛や腹部の不快感に伴う便通の異常です。特徴的なのは、排便をすることによって腹痛が一時的に和らぐ点にあります。お腹が張る感じ(腹部膨満感)や、便が残っているような感覚、粘液が便に混じるといった症状が見られることもあります。
具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 緊張や不安を感じる場面で急に腹痛が起こり、下痢を繰り返す
- 便秘が続き、排便時に強い痛みや残便感がある
- 下痢と便秘を数日おきに交互に繰り返す
- ガスが溜まりやすく、お腹が張って苦しい
これらの症状は睡眠中には起こりにくいという特徴があり、日中の活動時、特にストレスを感じる場面で強く現れる傾向があります。症状が長引くと「またお腹が痛くなるのではないか」という不安自体がストレスとなり、さらに症状を悪化させる悪循環に陥ることも少なくありません。
症状の詳細については「腹痛」のページも参照してください。
過敏性腸症候群の原因について
過敏性腸症候群の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、脳と腸が互いに影響を及ぼし合う「脳腸相関」が深く関わっていると考えられています。腸は「第二の脳」と呼ばれるほど神経が密集しており、脳が受けたストレスが自律神経を介して直接腸に伝わりやすい臓器です。
原因として考えられる主な要素は以下の通りです。
- 精神的ストレスや過労による自律神経の乱れ
- 腸の知覚過敏(わずかな刺激を痛みとして過剰に感じてしまう状態)
- 腸内細菌叢のバランスの変化
- 感染性腸炎にかかった後の腸内環境の変化
特に現代社会において、不規則な食事や睡眠不足、多忙な生活などは自律神経を乱す大きな要因となります。腸の動きをコントロールする自律神経が乱れることで、腸の収縮運動が激しくなりすぎたり、逆に停滞したりすることで、下痢や便秘を引き起こします。
過敏性腸症候群の病気の種類について
過敏性腸症候群は、便の形状や状態によって大きく4つのタイプに分類されます。ご自身のタイプを把握することで、より適した治療アプローチを選択することが可能になります。
下痢型
突然激しい腹痛に襲われ、水のような便や泥状の便が出るタイプです。特に若い方に多く、外出前や乗り物に乗っている時に不安から症状が出やすい傾向があります。
下痢の詳細については「下痢」のページを参照してください。
便秘型
便が硬くなって出にくくなり、排便時に苦痛を伴うタイプです。うさぎのフンのようなコロコロとした便が出ることが多く、お腹の張りや残便感を強く感じやすいのが特徴です。
便秘の詳細については「便秘」のページを参照してください。
混合型
下痢と便秘を数日おきに交互に繰り返すタイプです。腸の動きが不安定になっており、便の状態が頻繁に変わるため、体調管理が難しいと感じる患者さんが多いです。
分類不能型
上記のいずれのタイプにも明確に分類できないものの、腹痛や腹部不快感に伴う便通異常が継続している状態を指します。
過敏性腸症候群の治療法について
過敏性腸症候群の治療は、生活習慣の改善、食事療法、そして薬物療法の3本柱で行います。焦らず、ご自身のペースで症状をコントロールしていくことが大切です。
生活習慣の改善と食事療法
まずは規則正しい生活リズムを整えることが基本となります。十分な睡眠をとり、自律神経を整える環境づくりを心がけましょう。食事については、刺激物や高脂質な食事を避け、決まった時間に摂ることが推奨されます。
- 暴飲暴食を避け、ゆっくりとよく噛んで食べる
- アルコールやカフェイン、香辛料などの刺激物を控える
- 乳製品や人工甘味料などで症状が出る場合は摂取を控える
- 適度な運動を取り入れ、ストレスを発散する
近年では「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれる、小腸で吸収されにくい糖類を控える食事法が注目されています。どのような食事がご自身に合っているか、診察時にアドバイスさせていただきます。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは症状の緩和が不十分な場合、お薬による治療を併用します。当院では患者さんの症状やタイプに合わせて、数種類のお薬を組み合わせて処方することがあります。
- 腸の動きを整える調整薬(高分子重合体など)
- 腸内の善玉菌を補う整腸剤
- 下痢を抑えるお薬や、便を柔らかくするお薬
- お腹の張りを改善する消泡剤
- ストレスや不安が強い場合は、抗不安薬や抗うつ薬
当院は日本内科学会総合内科専門医の視点から、全身の状態を考慮した処方を行います。漢方薬が体に合う方もいらっしゃるため、ご希望や体質に合わせた選択が可能です。
過敏性腸症候群についてのよくある質問
Q1. 検査で異常がないと言われましたが、本当に病気なのですか?
A1. はい、過敏性腸症候群は「機能性疾患」と呼ばれ、臓器の形に異常はなくても、動きや感覚などの機能に問題が生じている立派な病気です。血液検査や内視鏡検査で異常が出ないからこそ、この病気であると診断されることがあります。気のせいだと思わずに、専門的な治療を受けることが大切です。
Q2. 大腸カメラ検査は必ず受けなければなりませんか?
A2. 全員に必須ではありませんが、症状が似ている大腸がんや潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を否定するために、一度は検査を受けることをお勧めしています。特に血便がある、急激な体重減少がある、高齢になってから症状が出始めたといった場合は、精密な検査が強く推奨されます。
検査の詳細については「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)」のページを参照してください。
Q3. 食事で気をつけることはありますか?
A3. 特定の食品を食べるとお腹の調子が悪くなるという経験があれば、それを控えることが第一です。食物繊維は便秘型の方には有効ですが、下痢型の方には刺激になることもあります。また、冷たい飲み物や脂っこい食事は腸を刺激しやすいため、できるだけ避けるのが安心です。ご自身の症状と食事の記録をつけてみると、原因が見えやすくなります。
Q4. ストレスをなくさないと治りませんか?
A4. ストレスを完全にゼロにすることは難しいですが、お薬や生活の工夫で「症状をコントロールできている」という自信を持つことが、不安の解消につながります。お腹の痛みを恐れずに生活できるようになることを目指して、一緒に取り組んでいきましょう。
院長より
お腹の悩みは非常にプライベートなものであり、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方が多くいらっしゃいます。当院は、高度な知見に基づいた診療を提供しています。単にお薬を出すだけでなく、背景にあるストレスや生活習慣にも目を向け、患者さんが笑顔で毎日を過ごせるようサポートいたします。津島市、愛西市周辺にお住まいの方や通勤されている方もお気軽にご相談ください。2診体制で待ち時間の短縮にも努めており、予約も可能です。お腹の不安を安心に変えるために、私たちは全力を尽くします。
消化器に関わるお悩みは「消化器内科」のページもご覧ください。
- 医院名
- 医療法人 杉山クリニック
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- 〒496-0847
愛知県津島市中地町4-57-6 日比野駅:徒歩10分 - TEL
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